給与計算において判断がシステム外に残され続けている零細事業者の状態
日本の零細事業者における給与計算処理では、金額の計算や帳票の出力は行われている一方で、その内容が制度上妥当かどうか、例外として扱うべきかどうかといった判断が、明確にシステムの外側に残されている状態が多く見られる。担当者は、計算結果を『正解』として受け取るというより、『確認すべき材料』として扱っており、必要に応じて前月や過去の処理と見比べながら判断を行っている。GIMCALC901の運用マニュアルは、この判断の所在を曖昧にせず、あらかじめ自動判断を行わない領域として固定しているように読める。その結果、担当者は判断を委ねられているというより、最初から判断が自分の役割であると理解した状態で業務に向き合っているように見える。この構造は、判断の正否を保証しない一方で、判断が発生する位置を毎月同じ場所に留め続けており、給与計算が属人的な勘や例外処理の集積になりにくい状態を作っている。