庁内ツール導入後に見られる従来経路への回帰
自治体でグループウェアやワークフローなどの庁内ツールを導入した後、一部または大部分の業務や職員が、紙・電話・メールなどの従来の方法へ戻った事例が示されていた。
逆戻りの理由として最も多かったのは、周囲の職員がツールを利用しておらず、自分だけでは処理を完結できなかったことだった。従来の方法の方が早いこと、操作を覚える時間を確保しにくいこと、説明会やマニュアルだけでは理解しきれないこと、画面が複雑であることも挙げられていた。
説明会やマニュアル作成などの定着支援に時間が使われている一方で、実務での活用につながらないことや、電話・窓口での問い合わせが残る状態も示されていた。人事異動のたびに新しい職員への教育が必要になるという回答もあった。
これらの事象では、一部の職員が操作できることと、組織全体の業務が新しいツールを通じて完結することが一致していないように見える。新しいツールを利用しても、周囲との接続や従来経路との関係が明確でなければ、利用者側に確認や使い分けが残る可能性がある。
記事は、主に多機能性、学習負担、UI、操作性の問題として整理していた。一方で、導入によって従来のどの作業や連絡経路がなくなったのか、利用後に業務全体がどこまで完結したのか、利用率と実際の業務負担が一致しているかについては、この調査だけでは確認できない。